日本英語教育史学会

144回月例研究会(2000/11/19  英語教育史入門講座(2)

 

英語教育史研究におけるインターネットの可能性

 

  雄(和歌山大学教育学部)

 

 

1.はじめに

 

・インターネットの機能
(1)情報検索

(2)電子メール

(3)メーリングリスト(会員の意見交換を全員に伝達)

(4)ホームページ(web site)作成など。今回は(1)を中心に。

・つなぎ方
・パソコンを電話線等につなぐ。

・附属のインターネットソフトを起動。

・接続業者と契約(使い放題か従量制か)。

 

 

2.めざすサイトの探索法

 

インターネットのソフトに附属する検索機能でサーチエンジンを使って検索。

 

1 infoseekで「英語教育史」と入力して検索。66件ヒット。(*Exciteでは414,911件、gooでは59件)

 

1件目は「『明治期英語教育研究』」。それをクリックすると松村幹男先生が「広大フォーラム」301号に寄稿された同書の「自著を語る」にアクセス。

2件目の「日本英語教育史学会」をクリックすると、馬本 勉氏の「学習指導要領『必修語』の選定基準に関する歴史的研究」(日本英語教育史学会第132回月例会 研究発表資料1999.7.18)のレジュメが全文閲覧・コピーできる)。なお、馬本氏のホームページの「英学史・英語教育史」コーナーはきわめて有用。
http://ipr.hijiyama-u.ac.jp/~umamoto/research/eigakulink.htm

・その他。熊本大学の< 教育学部 英語科ニュース >では、荘口博雄先生の「退官記念講演」(最終講義)が、平成1136日(土)に「私の英語教育史」と題した講演を行い、「過去半世紀近くに及ぶ英語教育の変遷と先生御自身の教育の歴史が軽妙に語られながら、貴重な時代の証言と次代へのアドバイスがさりげなく織りまぜられた有意義な講演でした。」とある。写真も公開。

 

2 「岡倉由三郎」ではinfoseek70件。斉藤一氏(帯広畜産大学)のホームページでは岡倉由三郎や中野好夫関係の資料や氏の論文などが閲覧でき秀逸。
http://www03.u-page.so-net.ne.jp/jd5/hspstcl/index.htm

 

 

3.英語教育史研究に有用なサイト

 

  *サイトのアドレスはしばしば変更されるので要注意。「有料」の表示がないものはすべて無料。

 

(1)蔵書等の検索

 

Webcat 全国の加盟大学図書館等の所蔵書籍・雑誌を検索  
http://webcat.nacsis.ac.jp/

 書名、著者名、出版者、件名、分類のいずれからも24時間いつでも検索できる。検索語は、漢字・カタカナ・ひらがな・ローマ字のどれでもよい。20001111日現在の図書書誌5,524,908、雑誌書誌233,625、著者名典拠1,138,301などのデータ。毎日のように更新される。 ただし、検索にはコツがある。

・検索例1 タイトルに「英語教育史」と入力すると結果はゼロ。「*英語教育史*」と入れると、3件ヒット(*は任意の文字列を表す)。「*英語*教育史*」では15件にアップ。詳細表示で書誌データや所蔵機関などが表示される。

・検索例2 著者に「花園兼定」と入れると3件ヒット。姓と名の間を1字空けて「花園 兼定」とすると22件ヒット。姓と名の間に*を付けても同じ。

 

国立情報学研究所情報検索サービス。国会図書館などの蔵書データベースを検索(有料): http://www.nacsis.ac.jp/ir/ir-j.html

・利用制限:主に,学術研究を行う研究者,参考調査業務を行う図書館職員などの方々を対象。利用申請により,利用者番号を取得する必要がある。

・データベースの内容:国立国会図書館JPMARCJPM1868年以降;2,553,821件)、国会図書館洋図書目録データベース(NDLCFB1986年以降;197,418件)、目録所在情報データベース(図書BCAT5,522,810件)、目録所在情報データベース(雑誌SCAT233,679件)など。以上はの利用料金は、データベースを呼び出す都度30円/回。したがって、目録所在情報データベース(図書BCAT)、目録所在情報データベース(雑誌SCAT)は上記のWebcatに直接アクセスした方が無料でよい。

・雑誌記事索引データベース(1975-)、学会発表データベース(1987-*ほとんどが理系学会)の接続料:各データベースに接続している時間に対して50円/分、ヒット料:検索された文献について,その書誌情報あるいは抄録等を端末に出力した件数に対して13円/件。米議会図書館LCMARCは、Books(1968年以降) 6,253,441件、Serials(1973年以降) 807,960件。

<利用方法>

ID番号とパスワードを入力、・利用するデータベースを選択、・検索システムを選び検索語句を入力、・必要なデータのみをチェックし「詳細表示」に、・必要データをコピーして自分のワープロ・表計算ソフトなどにペースト。・終了を選択し料金を確認、・ログアウト。

・例1:「ニューナショナル」で検索すると112件ヒット(うち国会図書館が109件、目録所在情報データベース(BCAT)が3件。「ナショナルリーダー」では14件。

・例2:岡倉由三郎」で483件ヒット。*複合検索で「著者」の欄にではなく、「レコード」に岡倉由三郎と入力した方がヒット件数が高い。

 

国立国会図書館 http://www.ndl.go.jp/

・書誌情報(Web-OPAC):国立国会図書館所蔵資料のうち、昭和23年以降に受入れた国内刊行図書(200万件)及び昭和61年以降に受入れた洋図書(20万件)の書誌情報を検索できる。http://webopac2.ndl.go.jp/ 例:「英語教育史」で16件ヒット。近くの提携図書館での閲覧(コピー不可)やその図書館を通じてのコピー依頼(郵送)もできる。

・貴重書画像データベース:国立国会図書館が所蔵する主として江戸期に発行された彩色資料(約23,000枚)の画像データを検索、閲覧できる。

 

 

2)教育関係論文と統計資料

 

「教育研究文献情報データベース」http://www.crdc.gifu-u.ac.jp/edmars/

岐阜大学教育学部附属カリキュラム開発研究センターが開発中の文献データベース(試用版)。英語教育関係研究論文のデータベースは学会誌を中心に収録件数は約1,600件。

 

日本教育史統計データベース(明治から昭和初期頃までの学校数、生徒数、教員数などのデータを掲載) 
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~yamada/database/index.html

 

 

3)書籍の検索と発注

 

<古書店>

    日本の古本屋 http://www.kosho.or.jp/kosho/user/index.asp

データベース登録件数は56万件突破。書名、著者名、分類、古書店名などで検索。

1:書名検索で「英学」と入力したら豊田實『日本英学史の研究』など62件のヒットがあった。同じ本が複数ヒットした場合は最も安い本を選べる。要会員登録(無料)

2:「英語教育」では『長崎における英語教育百年史』/長崎英語教育百年史刊行委/34/3000/京都府/京都府古書籍商業協同組合など33件(2000.11.9)。 
*弱点はつい買いすぎること。要注意!

 

すかぶら堂書店(福岡県にある教育書専門の古書店)
http://www.mks.or.jp/~sukabura/

 

近代史資料会(大阪の古書店会) 
http://www.ioctv.zaq.ne.jp/kosyoweb/kindai
ほか多数。

 

<新刊書>

○()日本書籍出版協会 http://www.books.or.jp/

現在Booksには199912月までに国内で発行された入手可能な書籍(57万点)を収録。20001月以降の書籍については各出版社からの提供された電子データ(約27,142点)を収録。(2000.10.12)

 

紀伊國屋書店「BookWeb」 http://bookweb.kinokuniya.co.jp/

 会員数が10万人を突破した紀伊国屋書店によるインターネット書店「BookWeb」。データベースでは350万件以上の国内外の書籍出版情報を検索できる。年会費は1,500円。国内送料は全国一律480円。

 

文教堂ジェイブックhttp://www.jbook.co.jp/index.asp

 

丸善http://www.maruzen.co.jp/

 

○BOOK CLUB 本屋さんhttp://www2.honyasan.co.jp/honyasan.html など急増加中。

 

 

4.その他の英語・英語教育関係サイト

 

・英語の関することなら何でも。
http://www.eigotown.com/infolinks/library/library03.shtml

英語教育関係学会の紹介も有用。

 

(1) 英語教育関係

・無料のTOEIC等の練習問題は
http://www.eigotown.com/eigocollege/nav.php3?c=3
  ないしhttp://www.e-sia.com/ など。

・大修館書店『英語教育』の1995年以降の各号ごとの目次がわかる。
 http://akashia.est.co.jp/tsubame/list.asp?srs=英語教育&flg=fst

・英語授業に役立ちそうなサイトとしては、クロスワードパズルをウェブ上で自動作成してくれるhttp://puzzlemaker.school.discovery.com/

単語と説明文を入力するだけで、あとはコンピュータ任せです。
・速読教材は、http://www.naxnet.or.jp/~fukumoto/English/JbcDrill/MaterialsForComputer/Reading.htm

・イントラネット利用の英語教材HotPotatoes。カナダのVictoria大学が無償で提供しているフリーソフト。このソフトは英語の先生方に使用していただきたいソフトで、いろいろなバラエティーに富んだ教材作りが簡単にできる。詳しくは、http://web.uvic.ca/hrd/halfbaked/ を。

 

(2) 電子辞書・コーパス

○Project Gutenberg 語句ないし文章から出典を探すのに便利なのが
 http://www.lib.ece.ntua.gr/gutenberg.html

オンライン辞書を集約したサイト 
http://www.hum.u-tokai.ac.jp/asao/etm/oldict.html

海外の主なコーパスサイト 
http://thetis.bl.uk/lookup.html
   
http://www.hti.umich.edu/english/pd-modeng/simple.html

世界百科事典(平凡社)「ネットで百科@Home」(有料:会員外は5分無料)
 http://ds.hbi.ne.jp/netencyhome/

○Britannicaのホームページもお薦め(一部有料)。
http://www.eb.com/limited_search.html

 

(3) 英米文学関係
 ほとんど作家ごとにサイトがある。詳しくはBrowner, Stephanie et.al.: Literature and the Internet: A Guide for Students, Teachers, and Scholars. Garland Publishing, New York, 2000.参照。

 

 

5.おわりに

 

・情報・資料の公開化による一極集中の是正(地方でもOK)。逆に情報弱者の発生。
・情報・資料収集を迅速化し、浮いた時間を本来の思索と考察の深化に。
・有用サイトの情報交換を活発に。
・日本英語教育史学会のホームページ作成を。

 

 

 

Website管理者注: 紹介されたウェブサイトのうち、20083月の時点でURLが有効なサイトへのみ、本ページからリンクを張っています。)


ページ先頭へ